凍てつく寒さの2月下旬、芸術の都イタリアで、私たちはこの革と出会いました。
イタリアの高度ななめし技術を伝承し、厳しい環境基準を潜り抜けた名門のタンナーが競って軒を連ねる伝統的な展示会。そこで出会うレザーどれも生命力に溢れ、華やかでアーティスティック。イタリアに風土に根付く芸術センスが存分に引きだされた、魅惑的なレザーがこれでもかと並びます。“革=土色で、革のにおいがして、男性の好むもの”といったイメージをまったく覆してしまうほど、カラフルな色合いで美しいものばかり。

私たちはリネアペレに通いつめ、今年で5年目。
今回出会ったのは、今まで面識のないタンナーの「花を革に入れることができる。」と豪語する職人でした。そんな、見たことも聞いたこともない革が本当に存在するのか・・?と半信半疑になりつつ、
出してきたのは本物の押し花が入った見事なプレスドフラワーレザーでした。

イタリアの共和国建国記念を祝い、イタリア全土が晴れやかなお祝いムードにつつまれる6月2日。初夏の陽気に包まれて、カスミソウも辺り一面を覆うほど満開になります。その時期のありったけのカスミソウを摘み取り、手作業で一色ずつ染め、乾燥させたのがカスミソウのドライフラワー。
これを、なんと職人が手作業で革に振り撒いて仕上げているというのです。思いもつかないほど生産を度外視したこの革を、手に入れずにはいられませんでした。途方もないこだわりと、不可能を可能にする名門タンナーならではの技術とチャレンジ精神によって実現した革。おそらく、もう二度と手に入らないかもしれません。

内装革も、この革のためにオリジナルカラーとして染色しました。日本屈指の革産業の地である、兵庫県・姫路市の職人によるもの。エナメルに負けない艶と、丈夫でハリのある質感、絶妙なニュアンスカラーを見事に再現したこちらの革。熟練職人の技と哲学を感じずにはいられません。

花の配置や状態がすべて異なる、プレスドフラワーのキーケース。エーテル自由が丘店限定でご用意いたします。まるで花を摘む、束ねるように、ひとつひとつ手に取る瞬間をお楽しみくださいね。

※店舗入荷は12月22日頃を予定しております。少量生産のため、先行予約も承っております。