内装革の話

今日は、店舗限定の押し花キーケースの内装のお話です。エーテルの商品の内装は、外装にも使えるくらいこだわっています。 今回の店舗限定の押し花キーケースの内装で、こだわった点は2つ。質感と色です。
まず質感。押し花の革は、エナメルレザーなので、内装も、ほどよい光沢のある質感にしたかったんです。見てください、この上品なテリ。そして色味ですが、私、外装の色と、内装の色が全く一緒のものよりも、若干違う色味のものが好きなんです。例えば、外装が黒であれば、内装はベージュとか。ピンクと水色などのパステルカラーも、若干トーンを落としているとか。全く同じ色だと、開けた時につまらないと思うんです。使う人に長く愛用してほしい。だから内装にもこだわって、質感と色味を出すようにしています。

加工の工程は、主に3つ。
1、表面をローラーでアイロンをする
アイロンの熱で表面のツルッとなめらかな手触りと、光沢を出します。このツヤっと感を出すためには、この工程が大事です。
2、バイブレーションをかける
次に、写真のトランポリンみたいな機械で、革を四方八方からたくさんの釣り針みたいなものでひっぱって、裏から振動を与えます。強くしたり弱くしたり・・。そうすると、革の繊維がほぐれて、柔らかくしなやかになります。

3、セミアニリン仕上げ
最後に色味ですが、パステルカラーにしたいときは、大体顔料が使われます。染料だとどうしても革の風合いが勝って、パステルカラーが出にくかったり、濁ってしまうんです。でも、顔料だけだと、ベタッとした質感になり、革の個性はなくなります。革本来の風合いも、深い色味で、私は大事にしたいんですね。だから、この内装革は、顔料とアニリン染料の半々で染めることにしました。それをセミアニリン仕上げといいます。透明度があり、深みのあるパステルカラーが実現できたのは、セミアニリン仕上げだからこそ。顔料で色付けをした後、アニリン染料で染める手間を取ることで、今までできなかった淡い色でも、スモークっぽい、味わいのある色になりました。

内装革にこんなにこだわって、相変わらずだね~と職人さんに言われました。日本の職人さんは、この色にしてください、というと、どんなに時間がかかっても、必ずその色になるまで付き合ってくれます。できたときには、お互い目を合わせてニンマリ。それもまた、わたしたちのものづくりへの原動力となります。

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