春を、とじこめました。サクラレザーができるまでの物語
美しいさくらを、ずっと手元で眺めることができたら・・
春。満開のさくらは、私たちの心をほっとあたたかくしてくれます。「ほんの一瞬しか咲かないさくらを、ずっと手元で眺めることができたら・・」そんな想いから、私たちのものづくりは始まりました。
イタリアトスカーナ州の職人を訪ねて
3月上旬。厳しい冬の寒さが徐々に和らぎ、少しずつ春の訪れを感じはじめた頃、わたしたちは遠く離れたイタリアトスカーナ州・サンマリノへと旅立ちました。バケッタ革からはじまった靴底屋、型押し屋などの工場がたくさん残る小さなこの町で、さくらの革は生まれます。この自然豊かな町にもさくらの木がたくさんあって、わたしたちのさくらに対する想いを共有するのに、大した時間は必要ありませんでした。「日本人と同じように、この町の職人たちも、さくらの花にほっとときめくんだよ。」そう語るイタリアの職人。
高品質で美しい『乳白色』の原皮
自然の産物である原皮の色をコントロールすることは容易ではありません。同じ工程を経ても、季節や気候によって仕上がりは大きく変わってしまいます。通常の下地では、色ぶれや品質のムラあり品質が安定しない…。そこでデザイナーは下地となる原皮から改良していくことに挑みました。何社ものタンナーを訪れて厳選したキメの細かい高品質の下地を探し出しました。一万デシもの下地を仕入れ、大きなドラムで一斉になめすことで色ムラを解消。また、何度も試作を重ねながら季節によってなめす時間を調整することで、私たちが求めていた高級感のある優しい乳白色の原皮を作り出すことに成功しました。
ふっくら愛らしい桜の花を描く
乳白色の革をキャンバスに、ふっくら愛らしい桜の花を描きます。こだわったのはさくらの愛らしさを表現すること。優しく丸みのある花びら、繊細な花弁、華やぎ…事細かにイメージを職人に伝えます。イタリアは革の歴史が深く、特に加工と染色は精良を極めます。さくらの花びら特有の愛らしいふっくら感を表現するために特殊な薬剤で質感を表現していきます。
淡く優しいさくら色の染料
さくらの花の中心にほんのりのせた色は、日本人女性に似合う淡く優しいさくら色。染色は、何工程もある中で、とくに職人の個性が際だつ工程のひとつ。色作りは職人の勘に頼ることが多く、調合する人によってよってニュアンスが微妙に異なります。生まれたときから革と触れ合い、センスが磨かれてきたイタリアの職人。私たちの求める色を汲み取り、丁度の染料を調合していきます。
職人の情熱
わたしたちの求めるさくらを表現するために、何十回もサンプル試作を繰り返しました。そして試作品を眺めては「ふっくらしすぎだな。」「そもそも銀面(革の表面)をもっとバフがけしたほうが良いね。」と妥協を許しません。職人のプライドが光ります。私たちの想いをのせて職人と作り上げる革には、何人もの熱量が詰め込まれているのです。
美しく、愛らしい
『さくらレザー』の完成
いくつもの段階を経て完成したサクラレザーは、もはやアート作品のような美しさ。こんなにも美しく、こんなにも愛らしく、こんなにも女性らしい革があったでしょうか。これはまさに、革に咲く「春」。柔らかで、繊細な質感。ほんのりと色づいた優しい桜色。箔押しで上品に描いた桜の花びら。輪郭に沿ってところどころ革を縮め、ふっくらとした質感を表現しました。さらに、ほんのりと花びらの中心を桜色に染めて、大人の可愛らしさも忘れずに。
触れるたびに、 上質感と桜の香りを感じて・・
いくつもの段階を経て完成したサクラレザーは、もはやアート作品のような美しさ。こんなにも美しく、こんなにも愛らしく、こんなにも女性らしい革があったでしょうか。これはまさに、革に咲く「春」。ほんのりと色づいたさくらを、財布やバッグにしてあなたの手元にお届けします。