みなさん、こんにちは。
例年であれば何かと賑やかな年末ですが、今年はなるべく控えめに。ご家族や大切な人と静かな時間を過ごすことになりそうですね。
さて本日は、今年最後の“旬の花と、花言葉”12月篇をお届けいたします。ご紹介するのは、この時期にふさわしい“クリスマス”にまつわるお花たち。
この連載で、いつも素敵なアレンジメントをつくってくださる「ハナと枝」のフローリスト上田みどりさんが、今回も魅力的なお花を教えてくれました。
毎月好評の“季節のミニブーケ”のプレゼントもありますので、どうぞ最後までお付き合いください。
クリスマスを告げる「クリスマスブッシュ」
最初にご紹介するお花「クリスマスブッシュ」は、オーストラリアのニューサウスウェールズ原産の常緑樹です。
原産の現地では晩春、日本では晩秋に小さな白い花を咲かせます。そして、花が終わると“ガク”の部分が大きくなり、樹木全体が 赤く染まるように色づきます。
それがちょうどクリスマスの時期に重なるため、クリスマスを告げる花とも言われているんです。
そんな、クリスマスブッシュの花言葉は『清楚』。
星型のような“ガク”のフォルムも可愛らしいのですが、ヒイラギの葉を細長くしたような小さな葉もまた美しく、花言葉の通りとても品のいい優しい雰囲気の植物です。
日本では、クリスマスを彩る切り花として扱われますが、本来は高さが10メートルほどになる中高木の木。「クリスマスブッシュ」という名前も、そこから来ているのでしょうね。
見上げるほどの樹木が真っ赤に色づく姿は、きっととてもドラマチック。真夏にクリスマスを迎える南半球らしい景色なのだろうなと、思いを巡らせてしまいますね。
ロマンティックな樹木「ヤドリギ」
日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパでは、セイヨウヒイラギとともにクリスマスには欠かせない植物のひとつだという「ヤドリギ」。
“ヤドリギの下のキス(Kissing under the mistletoe) “
とは、古くからある言葉。クリスマスに「ヤドリギ」の下でキスをする。ヨーロッパには、古くからそんなロマンティックな風習があるんだとか。みなさんはご存知でしたか?
和名を「宿り木」「寄生木」と書く「ヤドリギ」は、落葉樹に寄生する半寄生植物です。半分だけ宿主の樹木から水分や栄養をもらって、自分でも光合成をするというなんとも不思議な植物なんです。
「ヤドリギ」の実はねっとりと粘り気があり、その実を食べた鳥たちのフンが樹木の高いところにピタリと張り付くことで、上手い具合に寄生できるのだそうです。
種まきは鳥任せ。成長は宿主のエネルギーをお借りして。ん~、何ともちゃっかりした樹木ですが、粘り強い生命力も感じますよね。そこがこの「ヤドリギ」の最大の魅力なのかもしれません。
「ヤドリギ」の花言葉は、『困難に打ち勝つ』『忍耐』『キスしてください』。
落葉樹に寄生する「ヤドリギ」は、冬、宿主の樹木がすっかり落葉し枝だけになると、木の高いところに鳥の巣のような球体で突如として現れることから、永遠を象徴する神秘的な植物とされてきました。
そのため、ヨーロッパでは、クリスマスツリーに神聖な「ヤドリギ」の枝を飾る習慣があるのだそうです。
「ヤドリギの下のキス」となると、奥ゆかしい日本では少々気恥ずかしくも感じますが、今年はぜひクリスマスツリーと一緒に「 ヤドリギ」を吊るして飾ってみてはいかがでしょうか。
枝ものですので大輪の花のような華やかさはありませんが、透き通るような美しい実とグラフィカルな枝のフォルムがとても魅力的ですよ。
プレゼントには針葉樹のプチブーケを
「クリスマスのギフトにはリースやスワッグが定番ですが、いろいろな種類の針葉樹だけでつくるシックなブーケもオシャレですよ」と、フローリストのみどりさん。
メインのプレゼントに添えられるような、ミニブーケをアレンジしてもらいました。
「ホプシー、ニオイヒバ、バリエガータ、ヒムロ杉」。そこに、最初にご紹介した「クリスマスブッシュ」の赤色を添えて。
「ドライでも楽しめますが、針葉樹のいい香りを楽しむなら新鮮なうちにプレゼントするといいですよ」と、アドバイスをもらいました。
針葉樹の深い緑色とクリスマスブッシュの淡い赤色が、クリスマス気分を盛り上げてくれそうですよね。ツリーまではちょっと…という方にもオススメの大人のブーケ。針葉樹のアロマ効果でゆったりとしたいい時間をお過ごしください。
今月も、ミニブーケをプレゼント!
この連載では、毎月1名様に季節のミニブーケをプレゼントしています!
いつも素敵な旬のお花を教えてくれる「ハナと枝」のみどりさんに、瑞々しい旬のお花を選んでもらいますので、どんなブーケが届くかお楽しみに!
先日まで、エーテルのインスタグラムで募集していた“みどりさんのクリスマスリース”のプレゼント企画にも、たくさんのご応募をいただきました!
みどりさんの美しいブーケが、季節の彩りを連れてきてくれるはずです。ぜひご応募ください!
応募方法:こちらのフォームより、メールアドレスをご記入の上ご応募ください。
※こちらの応募キャンペーンは終了いたしました。ご応募ありがとうございました。当選者の方には、後日ご記入いただいたメールアドレスにご連絡させていただきます。
応募締切:2021年1月5日(火)まで
※メールフィルタをご利用されている場合は、[aet.jp]ドメインからのメールを受信できるように設定してください。
【クリスマスブッシュ】
学名:Ceratopetalum gummiferum
分類:クノニア科ケラトペタラム属
原産地:オーストラリア(ニューサウスウェールズ州の固有種)
別名:サマークリスマスブッシュ
開花期:日本では晩秋(現地では晩春)
花もち:1週間程度
【ヤドリギ】
学名:Viscum aibum
分類:ビャクダン科(ヤドリギ科) ヤドリギ属
原産地:ヨーロッパ、アジア
別名:寄生(ホヤ)
開花期:2月~4月
誕生花:2/12 12/24 12/25
花もち:ドライにもできますが葉が散りやすいようです。