みなさん、こんにちは。
今年は、梅雨入りが早く5月の降水量は日本の広い範囲で平年を上回ったそうです。雨が続くと洗濯物も乾きにくいですし、ちょっぴり憂鬱な気分……なんて方も多いかもしれません。
そこで、本日の“旬の花と、花言葉”6月篇は、雨の多い季節だからこそ美しい“アジサイ”をご紹介します。日本の雨季“梅雨”を情緒的に感じさせてくれる、日本原産の花“アジサイ”には、やはり湿度が似合います。
毎月好評の“季節のミニブーケ”のプレゼントもありますので、どうぞ最後までお付き合いください。
心を落ち着かせる「アジサイ」の「青」
日本の梅雨を想う時、「アジサイ」の「青」が映像として浮かびます。しとしとと降る雨の中に解け出すような青。ごく控えめに景色の一部をなす姿こそアジサイの魅力ではないでしょうか。
青い色には、血圧や心拍数を抑え、感情の高まりを鎮める心理効果があると言われています。同じくリラックス効果があるとされる雨の音と重なる梅雨の景色は、間違いなく人の心を癒してくれるはずです。
さまざまな花たちが咲き誇る歓喜の春と、照りつける白日の夏のほんのわずかな休息の時。梅雨は、自然にとっても私たちにとっても、生きるために必要な「静」の時間なのかもしれません。
アジサイの花の色が土壌のpH値によって変化することはよく知られていますよね。酸性が強いと青に、アルカリ性が強いとピンクや赤紫色の花が咲きます。
また、咲いていく過程でも、少しずつ花の色を変えていきます。秋に向かうにつれ色が淡く薄くなりアンティーク調の雰囲気に。そんな花の色の変化から、アジサイは『七変化』や『八仙花』という別名を持っています。
アジサイの花言葉は、色の変化を由来とした『移り気』。
そして、梅雨時期から夏、秋と長く咲き続ける姿から『辛抱強さ』も。
青色のアジサイには、『冷淡』『無情』というややネガティブな花言葉も。アジサイの「青」が、それほど純度の高い美しさを感じさせるからなのか、雨の景色も理由の一部かもしれませんね。
日本原産「ガクアジサイ」の控えめな美
アジサイは日本やアジアが原産の花。今でこそ豊富な種類がありますが、「ガクアジサイ」と呼ばれる種類が日本古来のアジサイです。ヨーロッパで品種改良され、様々な色や丸々とした形に咲く西洋アジサイが逆輸入されました。
鞠のようなアジサイに比べて、ガクアジサイの美しさはとても控えめ。小さな花の周りを守るように真っ青な花びらを広げた花が囲む姿は、雨を想った花たちの祈りのようにも見えてきます。
アジサイの名の語源は諸説ありますが、小さなものが集まることを表す「あづ」と、「さ(接続詞)」、「あい(藍)」を合わせた「あづさあい」の略で、青い小さな花が集まって咲くことが由来とされています。まさにガクアジサイのイメージですよね。
このコンテンツ“旬の花と、花言葉”で美しいお花を選んでくださっている「ハナと枝」のフローリストみどりさん。今回は、切り花に加えて素敵な鉢物を紹介してくれました。
「切り花のアジサイにはたっぷりのお水を。鉢物は直射日光を避けて風通しのいい涼しい場所で育ててくださいね」と、みどりさん。
みどりさんが選んでくれたのは「黒姫」という名のヤマアジサイ。深く濃く強い青が特徴です。素敵な名前の由来を調べてみると、茎や葉が黒みを帯びているから、または、江戸時代に濃い紫色のことを「クロ」と呼んだから、といった説がいくつか見つかりました。
名前の由来というものは、確実な正解があるわけではなく、時の流れと共に様々な人の感性や想いが織り交ざりつくられていくものなのかもしれませんね。
アジサイにまつわる有名な話に、医師で植物学者のシーボルトとお滝さんの物語があります。ご存知の方も多いかもしれませんね。
シーボルトが日本に滞在中に恋仲になったお滝さんという女性を想い、母国へ帰ったシーボルトがアジサイの学名を『ランゲア・オタクサ』としたというお話です。
とてもロマンチックな話なのですが、シーボルトが長崎に滞在していたことから長崎の方言なのでは?という説もあるそうで、これもまた様々な人の想像の中に正解があるようです。
みなさんは、どちらの説がお好きですか?やっぱりロマンチックなお滝さん説だといいなあと個人的には思います。
アジサイで季節の青を楽しむ。
ふっと深呼吸したくなるような、そんなアジサイの青。花にボリュームがあるものを選べば一輪でとても絵になります。フワラーベースを選んだり、花をいけたりするのが苦手という方にもおすすめの花です。
やわらかなオフホワイトの水差しに一輪ポンと入れるだけで、もう癒しの空間に。一輪差しのような小さなものでもOKです。その場合、お水はたっぷり入れるのがポイントです。
青の美しさを楽しむなら、白い色のテーブルクロスやカーテンを背景にすると良いかもしれません。小さな花たちがイキイキと見えてきますよ。
昔々から着物や浴衣の柄としても愛されているアジサイ。小ぶりなお花なら髪飾りにしてもとても情緒的です。和服はもちろん、真っ白なワンピースやシャツにもよく似合いますよね。
なんだか照れくさい気もしますが、シロツメクサで冠をつくって遊んだ子どものころのように、純粋にキレイだなと思う物を身に着けられたら素敵ですよね。何かと我慢の多い日々ですから、季節を愛でる余裕を意識したいですよね。
地植えのアジサイは、お花が萎れても散ることなくそのまま色が抜け、水分が抜けドライフラワーになっていく不思議な花でもあります。
ドライになってもボリューム感が残るので、生花と同様に花瓶やカゴにさっと放り込むだけで素敵なインテリアになりますよ。ぜひ、生花で、ドライで、アジサイの魅力を堪能してくださいね。
また、本日ご紹介したアジサイのように、エーテルにはアジサイモチーフのアイテムや、「青」が美しい製品がたくさんございます。「青」は心の平和の色。ぜひエーテルのアイテムもご覧くださいね。
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季節を呼ぶ“ミニブーケ”をプレゼント!
この連載では、毎月1名様に季節のミニブーケをプレゼントしています!
いつも素敵な旬のお花を教えてくれる「ハナと枝」のみどりさんに、瑞々しい旬のお花を選んでもらいますので、どんなブーケが届くかお楽しみに!
みどりさんのお店の花たちは、美しいだけでなくいつも生き生きと幸せそうなものばかり。みどりさんの愛情をたっぷりと受けた花たちが美しい季節の彩りを連れてきてくれるはずです。ぜひご応募ください!
応募締切:6月22日(火)まで
※今月の応募キャンペーンは締め切らせていただきました。ご参加ありがとうございました。当選者の方には、ご記入いただいたメールアドレスに後日ご連絡させていただきます。メールフィルタをご利用されている場合は、[aet.jp]ドメインからのメールを受信できるように設定してください。
【アジサイ】
学名:Hydrangea macrophylla
分類:アジサイ科 アジサイ属
原産地:日本、アジア
別名:シチヘンゲ(七変化)ハッセンカ(八仙花)
開花期:初夏〜
誕生花:6/3/ 6/14 6/26
花もち:5日程度(切り花)