2022/1/19 update
ラムスキンとシープスキンの違い|革製品
ラムレザー(羊革)の魅力
ラムレザー(羊革)と聞くと、手袋やジャケットなど身に着けるものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。それもそのはず、ラムの魅力は何といっても柔らかさときめ細やかな質感。その特徴から高級なコートやジャケットなどのファッションアイテム、またゴルフグローブなどの素材としても用いられてきました。特にラムスキン(子羊)は高級品ではありますが、多くの人々に愛され続けているラムレザー(羊革)です。このページでは羊革をもっと深堀していきます。
羊の祖先は温暖地域で暮らしていた!
みなさん羊の出生地をご存知ですか?「羊」と聞くとモコモコな羊毛、見るからに暖かそうな見た目から、羊が誕生したのは厳寒な北方地方と思われる方が多いのではないでしょうか。しかし実は真逆の高温乾燥地帯である西アジア(イラクやパキスタン)地方が出生地なのです!
そして現在流通しているラムレザーの多くも、主にこの温暖地方で暮らしている羊から作られています。
「ヘアシープ」と「ウールシープ」
比較的温暖な地域で暮らしている羊を「ヘアシープ」と言います。
一方、モコモコの毛で覆われているお馴染みの羊は「ウールシープ」と呼ばれ、寒い地域(高緯度の寒冷地)で暮らしています。
ウールシープは寒さから身を守るため皮下脂肪が厚く、革にすると2層に剥がれたり浮きが生じやすくなるため、レザー素材としては適しておらず、主に「ムートン」素材として加工されています。
一方、ヘアシープは温暖な地域で暮らしているため脂肪も毛も少なく、革繊維の密度も充実。食肉用として飼われているため、原皮が手に入りやすいことも利点になっています。
3種類の羊革「シープスキン」「ラムスキン」「ベビーラムスキン」
先程は羊の種類のご紹介したので、ここからは羊革の種類をご紹介します。
羊革の種類は年齢別で「シープスキン」「ラムスキン」「ベビーラムスキン」の3種類に分けられます。
生後1年以上の羊の革をシープスキン。生後1年未満の羊の革をラムスキンと呼びます。ラムスキンの中でも、生後半年以内の幼獣の革を「ベイビーラム」と呼と呼ぶこともあります。いずれも牛革などに比べると薄くて軽く、しなやかで柔らかいのが特徴。また保温性が高いという性質もあります。
中でもラムスキンは子羊の革なのでサイズが小さく、食用にされる数も少ないため、希少で高価な革となります。もちろん大人の革と違い、傷もありません。またとても薄いため、シープスキンより少し強度が落ちますが、その分柔軟。毛穴が小さくキメが細かいため、非常に柔らかく、肌に吸い付くような滑らかな肌触りが特徴です。この希少性と質感から、ラムスキンは数ある革素材の中でも非常に高級なものとされているのです。
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希少性が高く高級な「ラムスキン」のエナメルレザー
こちらのエナメルレザーはイタリア・ミラノで開催される世界最大級のレザー展示会「リネアペレ」に出展されていたもの。原皮は最高峰とされるスペイン産のラム(子羊)レザー。しっとりと柔らかく、なめらかな手ざわりが特徴です。それを染色したうえに、職人の手作業で色とりどりのラメをかけ、エナメル加工を施しています。通常の何倍もの手間をかけて生み出されたレザーは、ミラノの職人の美意識こそが物を言う、手仕事ならではのものです。
こちらのエナメルレザーも原皮はラムスキン(子羊革)。咲き誇る花に輝くラメを散りばめ、艶やかなエナメルコーディングを施しています。 その中でも世界最高峰とされている、スペイン産のものを使用。柔らかで軽く、抜群のなめらかな手触り、それでいてしっかりとした厚みのあるスペイン産ラムレザーは、革の中でも最高素材の1つです。
青い花の色素は、他の色素が少しでも入ってしまうと青色になりません。真っ白なエナメルに咲く満開のデルフィニウムの花。しっかりとお手入れをすることで長くきれいに持つことができます。
お財布、パスケース、キーケース、カードケースの4役をこなす万能ミニ財布。手のひらに収まるサイズで、エナメルレザーの質感を十分楽しむことができます。
まとめ
羊革は牛革に比べ強度は劣りますが、きめの細かさ、柔らかさが特徴の素材で、現在では、レディース・アウタージャケット等に良く使用されている素材です。
大きく分けて「ラム」「シープ」の2種類を「羊革」として表記されます。
Lamb Skin ラムスキン生後1年未満の羊の革がラムスキン。毛穴が小さいため、表面のきめも細かくしっとりと吸い付く表面感が特徴。中でも、生後6ヶ月の革を「ベイビーラム」と呼び、羊革の中では最も高価な素材。 |
Sheep Skin シープスキン生後1年以上の羊の革をシープスキンと呼ぶ。シープスキンは、主に「ウールシープ」「ヘアシープ」の2種類。 |
Wool Sheep ウールシープ主に寒い地域に生息している。寒さから身を守るため、高密度の細い毛と皮下脂肪を備えている為、レザー素材としては適しておらず、「ムートン」素材として加工されている。 |
Hair Sheep ヘアシープウールシープとは逆に温暖な地域で生息しているため、毛も短く、皮下脂肪も少ない羊。革質が良く、手袋や革靴などの用途に最適な素材。 |