みなさん、こんにちは。
霜月の名の通り冷え込む朝が増えてきましたね。日中の気温差で人も植物も調子が狂ってしまいそうですが、みなさまもどうぞ暖かくしてお過ごしくださいね。
さて、本日の“旬の花と、花言葉”11月篇は、一年の最後に咲く花とも言われる“キク”をご紹介します。古風な印象の強いキクですが洋菊も合わせると多種多様。コロンと可愛いピンポンマムも人気ですよね。
お花屋さんたちは“マム”と呼ぶのが一般的だそう。今回は、伝統と風格のある和菊とフレッシュな美しさをもった洋菊のふたつの魅力をお伝えします。
毎月人気の“季節のミニブーケ”のプレゼントもありますので、どうぞ最後までお付き合いください。
「高貴」な華やかさをもつ“マム”
“マム”の歴史を語るなら、やはり和名の“キク”がしっくりきます。キクの原産地は中国。日本に伝わったのは平安時代の頃だと言われています。
当初は貴族など限られた人々が鑑賞する花でした。キクの花びらを浮かべた菊花酒を飲んで邪気払いをする九月九日の「重陽の節句」は、その貴族文化のひとつ。キクの節句、お九日(おくんち)とも呼ばれています。
江戸時代に入るとキクの花は庶民にも広がり品種改良も進みました。日本独自に発展した種類全体が「和菊」、その中でも歴史の古いものは「古典菊」として分類されています。
キクの花言葉は、『高貴』『高尚』。
紋に使われるなど皇室にゆかりがあるということも花言葉の由来なのかもしれません。
白は、『真実』『誠実』。
ピンク色は、『甘い夢』。
黄色は、『長寿と幸福』。
紫色は、『恋の勝利』『夢が叶う』
そして、赤いキクは、『あなたを愛します』『愛情』。
写真の2種類のキクは、赤と紫を混ぜ合わせたような美しい色に加え、そのフォルムもとても華やか。花びらがつんつんと針のようにユニークなキクの名は「ヘッジホッグ」。ハリネズミという意味です。
もう一輪の名は、ドイツ語で祭りという意味を持つ「フェスト」。お祭りを思わせるようにとても華やかで見ているだけで気持ちが晴れます。色ごとの花言葉を意識したプレゼントにもオススメですよ!
色、カタチ、ユニークで美しい“マム”たち
このコンテンツ“旬の花と、花言葉”では、「ハナと枝」のフローリストみどりさんにいつも美しい季節の花をセレクトしていただいています。今回も、“キク”から“マム”へと楽しみ方の幅が広がる、様々な魅力をもったお花を揃えてくれました。
色だけではなく咲き方も様々なマム。小振りな花が複数咲くのはスプレー咲きと呼ばれるタイプ。「パルティカサーモン」というオレンジがかったサーモン色の愛らしさのあるマムです。
同じような色合いでも大輪の花をひとつ咲かせるのは「アリョンカサーモン」という名前のマム。つける花の数が違いますが、パルティカサーモンもアリョンカサーモンも、花びらが隙間なく詰まって咲くデコラ咲きと言われるタイプです。
どちらもニュアンスのある色がとてもフェミニンですよね。濃い黄色や紫、白といったザ“キク”ではない優しい色が新鮮です。
くるくる、ひらひら。リボンが揺れるような花びらのラインがとても愛らしいのは「セイマノア」。スプレー咲きの小振りでキュートなマムです。
そして、もうひとつ魅力的なマムをご紹介します。スパイダー咲きの糸菊は、「糸かがり火」という名前まで美しいマムです。
「もともと野菜を作っていた富山の農家さんがつくっている美しい糸菊です。糸菊は、咲く姿が本当に見事なんですよ」と、みどりさん。
深みのある紫色と繊細な花びらのコントラストがとても印象的。自然のもつ無限の芸術性を感じずにはいられません。
その名の通り、暗闇にはじける“かがり火”の火の粉を感じるような糸菊ですよね。花の美しさは自然が創り出す唯一無二のものですが、花を育てる人々の祈りにも似た創造力と愛情も、美しい花の誕生には欠かせないのだろうと思います。
こうして花について書いていると、とても情緒的な名前に出会うことも少なくありません。花を誕生させた人の想いが込められた詩的な名を知るほどに、私たちがエーテルの商品名を決める時の想いと重なります。
どちらにも愛がたっぷり。手にする人に届けたいメッセージをたっぷりと込めているんですよね。
一輪でも、ミックスでも圧倒的な気品
こうして様々な種類のマムをご紹介していると、バラやダリア、芍薬などの豪華な花たちにも負けない美しさと気品があることがわかります。
ボリュームを出してブーケにすれば圧巻の華やかさ。マム(キク)は、日本に伝わった当時「モモヨグサ」と呼ばれていたといいます。百齢(モモヨ)も寿命が延びるという意味が込められているんだとか。
とても縁起がよくエネルギーに満ちた花ですから贈り物にもぴったり。その時には、どうぞマムの持つ歴史や花言葉、魅力など、ストーリーと合わせてプレゼントしてみてください。
ダリアのような大輪のマムを一輪で飾っても元気がもらえますよ。食卓やドレッサーなど、一日のスタートに眺められる場所がいいかもしれませんね。
冬を前に自然に咲く花とはしばらくお別れですが、冬咲きのマムはもう少し私たちを楽しませてくれるはずです。
季節を呼ぶ“ミニブーケ”をプレゼント!
「キクはハサミではなく手折がおすすめです。元気がなくなってきたら2、3センチほど茎を手で折り水上げをしてみてくださいね」と、みどりさんからアドバイスをもらいました。
この時期のマムはとても日持ちしますが、痛みやすい葉の処理を先にしておくと美しさが持続しますよ。
また、この連載では、毎月1名様に季節のミニブーケをプレゼントしています!
いつも素晴らしい旬のお花を教えてくれる「ハナと枝」のみどりさんにオススメのお花を選んでもらいますので、どんなブーケが届くかお楽しみに!
みどりさんが美しく束ねた花たちが季節の彩りを連れてきてくれるはずです。ぜひご応募ください!
応募方法:下記応募フォームに必要事項をご記入ください。
応募期間:11月9日(火)まで
※今月の応募キャンペーンは締め切らせていただきました。ご参加ありがとうございました。当選者の方には、ご記入いただいたメールアドレスに後日ご連絡させていただきます。メールフィルタをご利用されている場合は、[aet.jp]ドメインからのメールを受信できるように設定してください。
【マム(キク)】
学名:Chrysanthemum
分類:キク科・キク属
原産地:中国 北半球各地
別名:イエギク(家菊)
開花期:秋〜冬
誕生花:1/5、10/1、12/1、12/9
花もち:1週間〜2週間程度