「残暑お見舞い申し上げます」
こんにちは、エーテルの清水です。みなさま、どんな夏休みをお過ごしでしょうか。数年ぶりにお盆に帰省されたという方も多いかもしれません。
また、今年は全国各地の花火大会も盛り上がっていますね。たくさんの人を集める大きな花火大会も感動しますが、ご先祖の供養を起源にした故郷の小さな花火大会もまた温かな魅力がありますよね。
そして、来週2023年8月23日は、「二十四節気(にじゅうしせっき)」の「処暑(しょしょ)」。太陽の動きを基本にした古くからの暦では、暑さの中にも秋の気配を感じる頃だと言われています。
そんな季節のうつろいを感じながら、本日はエーテルから残暑お見舞いを申し上げます。
“儚さ”を描く日本の花火
夜空に大きく描かれる大輪の花。強い光と音と共にキラキラと輝きながら、次の瞬間には消えてしまう。美しい花火を見るとじーんと涙が出る、なんて経験をお持ちではないでしょうか。
「花火」は英語で「Firework」。直訳すると「火の作品」。どちらかというとアート的な意味合いが強いですよね。一方で、日本では、その名の通り夜空に咲く花を想って「花火」と名付けられています。
サクラの花の散り際に感傷的になるのと同じような儚さを花火にも感じます。花火に鎮魂の想いを込め、さまざまな祈りを込める文化も日本ならでは。浴衣姿が似合うのも、情緒のある風習だからなのでしょうね。
日本の打ち上げ花火は、花のような美しい円形と鮮やかな色が印象的ですが、この色彩やカタチも日本の特有の技術によるもの。海外の花火玉は円筒形のものも多く、枝垂れ柳のようなカタチで単色のものが多いのだとか。
大きな音に重きを置く国もあれば、華やかさを求める地域もある中、日本では花火に祈りを込める。お盆の迎え火や送り火にも見られるように、「火」を持って先祖を供養する風習とつながっているからなのでしょうね。
大きなお祭りを盛り上げる気分が高揚する花火も好きですが、やはり夏はしっとりと。ちなみに、手持ちの「線香花火」も日本が発祥。思わず目が涙で潤むような、儚い花火に惹かれてしまうから不思議です。
「処暑」風に香る秋
昔からお盆を過ぎれば秋と言いますが、夏の暑さが年々厳しくなる現代、暦の上という言葉がマッチしないことも増えてきました。そんな暦の上の話になりますが来週8月23日は「処暑」。
古代中国で作られた暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」の中のひとつで、暑さが止む頃とされています。二十四節気とは、地球から見た太陽の通り道「黄道」を24等分した1年分の暦で、まず春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分けています。
中国で生まれた旧暦のため、現在の日本の季節感とは1〜2ヶ月のズレがありますが、「暦の上では…」という表現と共に今でもニュースなどで耳にしますよね。
最近では9月の終わりまで夏のような気分ですが、それでも、朝晩の風の匂いに、空の高さに、秋の気配が漂ってきた気もします。とても小さな変化ですが、道端の草木たちも確実にメンバーチェンジ。ススキが顔を出し始めています。
季節のうつろいを見つけるには、ささやかな違いに気が付く感性のスイッチを入れておく必要がありそうですね。
<夏から秋の二十四節気>
立秋(りっしゅう)8月8日頃
処暑(しょしょ)8月23日頃
白露(はくろ)9月8日頃
秋分(しゅうぶん)9月23日頃
寒露(かんろ)10月8日頃
霜降(そうこう)10月24日頃
エーテルからの残暑のお便りはいかがでしたでしょうか。
「処暑」は台風が増える時期でもあります。ここ数年は、台風が大きな災害につながることが増えてきました。今回のお盆の台風で被害に遭われた地域の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
美しい自然がこれ以上壊れることのないように、わたしたちも日々の暮らしの中で意識を高めていくことができればと思います。
残暑もまだまだ続きそうです。どうぞ皆さまもお身体をご自愛ください。