今日は、コードバンの職人、洞田さんについてのお話。

その前に、コードバンについて簡単に説明します。

コードバンとは、ヨーロッパ産の農耕馬のお尻の部分。いわゆるサラブレッドやポニー等の通常知られる馬からは採れず、ヨーロッパ地方で食肉用としてごく少数生産されている、農耕馬のお尻からのみ採ることができます。お尻の部分にしかないから、一頭につき30デシくらいしか採れない。普通の牛はだいたい240デシとれるから、比率として、約8分の1しか採れません。

臀部(お尻)の分厚い革に守られた厚さ2mm程度のコードバン繊維は、革のダイアモンドって言われるくらい、硬くて丈夫なんです。普通の革は、横にも伸びるんですけど、それは水平に繊維があるから。コードバンは垂直だから、全く伸びないんです。だから、その分、衝撃に強くて、頑丈。で、固くて、採掘されるってことから、「革のダイヤモンド」と呼ばれています。採掘されるっていうのは、コードバンは革の表面じゃなくて、層なんです。この上の濃い部分がコードバン層。このたった2㍉しかない層を削りだすのには、高度な技術が必要になります。その技術があるのは、日本でも数人しかいないらしい。そのうちのひとり、宮内産業の洞田さんに会いに行ってきました。洞田さん、いわゆる職人っぽい、寡黙な方じゃなくて、こちらが1聞いたら、10答えてくれるような、気取りのない方。最初はマスクをしてたんですけど、撮影してもいいですか?って聞いたら、自らマスクを外してくださって。宮内産業の方に後から聞いた話では、撮影された~って嬉しそうにはしゃいでいたと。それを聞いて、なんだかこっちまでにやけちゃいました。

革も一枚一枚違うから、削り出す角度やかける圧力は、革の状態を見極めないといけない。その工程を、いとも簡単に、すばやくこなしていく。それをできるのはやっぱり、経験と、職人の「勘」が大事なんだな、と洞田さんにお会いして思いました。
「毎回が勝負だよ。負けることはないけどね。」と洞田さん。職人さんが1枚づつ革を見つめる目つきは、かっこいい。言葉では言い表せないものがあります。関連記事

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