今、夏物の新しい革を作っています!それで、イタリアの工場に行ったのですが、帰りにミラノとローマに寄ってきました。
ミラノでは建築を見たり、美術館へ行ったのですが、所々で路地裏に入ると、古い画材屋さんや、小さな工房があって、その建物や置いてある品も全部、歴史深くて。街全体が芸術作品のような場所なので、何度行っても勉強になるし、感動する街です。
今日は、そんなミラノで出会った、小さなレース屋さんをご紹介します。
2月下旬のミラノはとっても寒い。この日も最高気温1度、最低気温-6度。おまけに雨の日が多くて曇り空。そんな感じで外は冷たいのですが、イタリアの人はとっても温かい。優しくて陽気。お店に入れば温かくむかえてくれる。
可愛らしい佇まいのそのレース屋さんは、100年も続いているんですって!「祖父の代から続いているの。祖父の後は夫が継いだんだけど、その夫も4年前に他界して。今は私が店長ね!このお店にいると寂しくないのよ。思い出も沢山あるし、みんなが遊びに来てくれるから。」
お店には、近所のおじさんやおばさんがやってきては、世間話をして。みんなイキイキ楽しそう。
話しをさせてもらってたら、奥に案内してくれて、移動式のレール棚を開いて様々なレースを見せてくれました。色別に分かれているその棚は、カラフルでキラキラ。まるで宝石箱を見てるみたい。写真撮ってもいい?と聞くと、「もちろん!気にしないで好きなだけ撮ってちょうだい!」と。
壁にはズラ~っとボタンも並んでいます。同行していたボタンマニアのデザイナーは大興奮。「一日中ここにいたいです・・。」と隅から隅まで余すことなくチェックしては、「これはあのコートにつけよう・・」とひとりつぶやきながら大量に購入していました。
私はレースを10本購入。ベロアのもの、刺繍が施されているものなど。グレイッシュピンクのラメが入っている細いリボンは、その場で首に巻いてみました。
私がカメラを向けると、「ちょっと待って!」と言って、鏡を見ながら髪の毛を直して、「準備できたよ!」とニコってしてくれます。いくつになってもチャーミングで可愛いところが、このお店に、なじみのお客さんを呼んでいるんだと感じました。またミラノに来た際は、このお店に立ち寄ろうっと。