美術大学時代にてテキスタイルを学んでいたころ、富山の藍染職人さんの元へ、研修をしに行ったことがあります。
その工房には3m四方の池のようなものが、4つ並んでいました。それは、藍染をする桶。 深くて青くて、吸い込まれてしまいそうな、感じたことのない空気感でした。
若手の職人さん曰く、藍と会話をしながら、調子を整えるとのこと。
熟練の職人さんが大きな桶の脇に腰掛をけ、じっくりと藍を眺めます。そして人差し指に藍をちょこっとつけて、なんと、舌の上へ。藍をなめて、舌で転がし、毎日の水分量や温度調節を決めるそうです。これが365日、毎朝の日課。「だから旅行なんか行けやしねえ」と言いつつも、その横顔は誇らしくて、嬉しそうでした。
若手の職人さんは、まだ舌で藍の調子が分かるほどにはなれていないとのこと。「早く自分も師匠のようになりたいんですけどね、まだまだです。」と。師匠の背中を見て、毎日藍と向き合う若手さん、それを見守る師匠。口数は少ないけど、固い信頼関係を感じました。そしてお二人の、藍にかける愛情が、深くて美しい藍の色を生むんだなと、感動したのを今でも覚えています。
私たちもいつか、革の藍染のバックを作ってみなさんに届けたい。そしたらきっと、ものすごく、愛情が湧く鞄になるだろうな。